総合建設コンサルタント 土木地質株式会社

地球環境への貢献地球環境への貢献

Global Environment

地中熱ヒートポンプシステムの推進

温室効果ガス排出削減の1つの有効な手段として、
再生可能エネルギーである地中熱を利用したヒートポンプシステムを建築物の冷暖房設備に導入することによる省電力化があげられます。

地中熱利用が実際に有効なものでるかどうかを検証しようとする政策の1つとして、
環境省による「地熱・地中熱等利用事業のうち地中熱ヒートポンプシステムにおけるモニタリング機器設置事業」が平成26年度より行われています。
当社では、この事業に採択された仙台市内の4か所において、
ボアホール型熱交換井の設置と熱応答試験(Thermal Response Test:TRT)を実施いたしました。

また、当社と東北大学未来科学技術共同研究センターを中心とするグループは、
「宮城・仙台富県チャレンジ応援基金事業(公益財団法人みやぎ産業振興機構)」により、
助成テ-マ「傾斜構造型地中熱利用システムの実証実験(平成27年5月~平成28年5月)」が採択され、
当社駐車場内に構造の異なる3つのボアホール地中熱交換器(Borehole Heat Exchanger)を設置しました。
このボアホール熱交換器は、ボ-リング孔内にU型チューブを挿入した後、周辺を珪砂等で充填している。

U型チューブ内に水や不凍液を循環させ、地下で得た熱を地上部で採熱して、空調等に利用するものであります。
今回の実証実験では、通常の鉛直構造型交換井のほかに傾斜構造型熱交換井を設置して、熱交換効率を比較しました。
また、種々の充填材についても熱効率の比較を行いました。

以上の比較・検討結果をとりまとめ、平成28年5月14日開催の「日本地下水学会 2016春季講演会」においてポスターセッションを実施いたしました。
詳細は、以下の講演会予稿集に寄稿した資料をご覧ください。

仙台市丘陵部および平野部における地盤の熱応答試験結果

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地中熱交換井削孔状況
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地中熱交換井へ循環パイプ(U字管・クローズドループ)挿入状況
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ヒートポンプ設置状況
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地中熱ヒートポンプ冷暖房システム

海面上昇に対する島嶼国土保全への試み

当社(土木地質株式会社)と株式会社ハシカンプラ(宮城県仙台市、渡辺元代表取締役)が共同提案する「水硬性固化材(ハイデガス)を用いたキリバスにおける気候変動対策(生活環境の改善)案件化調査」(キリバス共和国)が、国際協力機構(JICA)の「中小企業海外展開支援事業~案件化調査~」に採択され、平成28年10月~平成29年7月の期間に調査してきました。

キリバスは、赤道直下に位置し、気候変動等に起因する海面上昇により島嶼国土が水没の危機にさらされています。海面上昇と共に海岸浸食が進んでおり、護岸整備が急務と成っております。

当社が開発した水硬性固化材(ハイデガス)は、塩分を含んだ砂やがれきをコンクリートの材料として使用できること、骨材代替として無機系廃棄物が利用できることから、施工コストを大幅に削減できます。
また、海水練りも可能なことから、真水の少ない島嶼でも施工が可能となっています。施工後のコンクリートは、耐海水性・耐硫酸性が高く、護岸等を構築しても長寿命化が望めます。

本調査では、キリバスの自然環境下において現地のサンゴ砂を骨材として、ハイデガスの配合設計・サンプル製作・海岸部実態調査を実施し、有効性を確認してきました。

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(写真はイメージです)
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サイクロンポムで護岸が破壊
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海水面上昇、淡水流出、樹木の枯死
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高潮で被害を受けた海中道路の応急復旧状況
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浸食により居住環境が脅かされている